安室奈美恵さん引退にみる、音楽を職業にするということ
9月に歌手 安室奈美恵さんが引退しました。
その日が近づくにつれ、いろいろな特番がテレビ放送されたのを見ていて、音楽を職業にする、ということについて考えさせられました。
「お客さんを楽しませるには、まず自分が楽しまなくちゃ」
こんなフレーズをよく聞きます。確かに自分が楽しめることは継続できるし、技術の上達にも繋がります。けれど職業ミュージシャンの場合、それで良いのでしょうか?
音楽で生計を立てていくには、自分の音楽活動に価値を見出してもらい、その評価をお金というかたちで還元してもらわなくてはなりません。
そのためには、自分の音楽活動がどのように評価されているのかを知る必要があります。マーケティングです。
私が好きなバンドのライブを見に行っていた頃は、ライブハウスの入り口でフライヤーと一緒にライブの感想などを書くアンケート用紙が配られたりしましたが、最近はSNSがそんな役割を果たしているのでしょうね・・・。
いずれにしても「自分が楽しい」と「お客さんが楽しい」は必ずしもリンクしないという目線が大切です。
ただ、お客さん側に傾きすぎるのも良くありません。お客さんの趣味嗜好はさまざまに細分化しています。お客さんの数が多ければ多いほど、みんなが好きなことを見つけ出すのは難しくなるので、そこに意識をもっていかれるとお客さんに振り回されることになり、心が疲弊していきます。
「自分が楽しい」と「お客さんが楽しい」の最大公約数を見つけ、大きくしていくことが音楽はじめエンターテインメントを職業にするためのひとつのカギになるのではないでしょうか。
あなたとあなたのお客さんが楽しいと思えるのはどんなことですか?
「BABYMETALという戦略」を支えるもの
週刊東洋経済eビジネス新書「BABYMETALという戦略」。
BABYMETALが海外でブレイクした理由が経済誌ならではのマーケティングの視点から解説されていて、とても興味深い内容でした。
可愛いアイドルと本格的な“神バンド”がメタルを奏でる独自のスタイルや、SNSを活用したプロモーション、所属事務所の業績動向など複数のブレイク要因があるなかで、明治大学 経営学部 大石教授がプロデューサーのKOBAMETAL氏に触れている部分が印象的でした。
忘れてならないのは、プロデューサーであるKOBAMETALのメタルへの思いがヒットの原動力になった点だ。「こんなのメタルじゃない」と言われながらも、彼がよいと思う音楽・スタイルをやり抜いたことで世界に受け入れられた。
ファン、消費者の目線はもちろん大切だけれど、自分の軸をしっかり持ち続けることも「売れるメンタル」なんだなと感じました。
BABYMETALという戦略―週刊東洋経済eビジネス新書No.172
- 作者: 週刊東洋経済編集部
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2018/05/01
- メディア: オンデマンド (ペーパーバック)
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BABYMATALの曲で私のお気に入りは「4の歌」です。
ひとりのミュージシャンが引退しました
3月に、ひとりのミュージシャンが音楽活動から引退しました。
職業性ジストニアの症状が現れてしまったのです。
職業性ジストニアとは、ある特定の動作で身体が硬直して思うように動かなくなるという症状で、はっきりとした原因がわかっておらず治療法も確立されていません。
ミュージシャンの場合は、楽器が弾けなくなったり歌が歌えなくなったりします。
この症状に悩まされ続け引退を決意した彼は、
「武道館のステージに立つ」
というファンとの約束を守れなかったことを何度も謝っていました。
夢を途中で諦め音楽活動から引退するという決断は、とても勇気がいることだったと思います。
それでもきちんとけじめをつけることを選んだ彼の選択は、活動を支えてくれた人たちだけでなく、自分自身に対しても誠実に生きようとする気持ちのあらわれでもあるように感じました。
彼のこれからの人生を応援したいです。
結果を出しても心が満たされない
例えば、ドームツアーを成功させたとか、大きな賞をもらったとか、本来ならプラスの感情があふれても良いはずの結果を出しても心はからっぽのまま、空虚さを感じることはありませんか?
私はこれまで、うれいしいことや楽しいことがあっても、達成感や充実感やで心が満たされることがありませんでした。そこからうまれる感情はすべて、心の中にある穴に吸い込まれていく感じがしていました。
しかもその穴はダイソンの掃除機くらい高い吸引力をもっていて、底がないのです。
この穴は一体いつできたのか?
過去の記憶をたどってみると、「他者に評価されるように生きてきた自分の存在」に気づきました。自分ではコントロールできない他者を優先しすぎるあまり、自分自身を消耗させ、心に穴をつくり、深めていったのだと思います。
ここに気づいたことで、深まる一方だった穴の底が見えた気がしました。
底のある穴は、いつか埋まります。
もし、あなたの心にも穴があるなら、それを埋めるヒントは、生まれてから今日まで過ごしてきた時間の中にあるかもしれません。
売れるメンタルはオリジナル
売れるメンタルをつくるには、まずミュージシャンとして活動目的をイメージします。
ぼんやりでもイメージできたら、そこに向かって行動していきます。
具体的になにをすればいいかわからない時は、あなたが望む結果を出している人の行動をマネしてみる、という方法もあります。
ただ、仮にその人の行動を完コピできたと思っても、肝心の結果は完コピならず・・・ということもありえます。
なぜか?
あなたとその人は違うからです。
では、どうするか?
やってみてうまくいかないところ、しっくりこないと感じるところは、あなたのセンスでどんどんアレンジしていけばいいのです。
このアレンジ作業を通して、自分のメンタルを最適にチューニングする方法を見つけていきます。
ミュージシャンとしても生き方も、それを叶える売れるメンタルも、あなただけのオリジナルです。
売れるメンタルをつくる
あなたがミュージシャンとして売れたいのは何のためですか?
売れるメンタルをつくる作業は、まず目的を認識することからスタートします。
目的地が決まらなければ、そこへの移動手段も決められません。
なんとなく、ぼんやりしたイメージしかもてなくても構いません。
何のために売れたいのか、自分が音楽活動をする目的を頭のかたすみに置いておいて、何かを決めるときや迷ったときに思い出すということを繰り返していけば、イメージは自然と具体的になっていきます。
目的地が具体的になれば、最適な移動手段が選択できます。
売れるメンタルをつくり整えていくことは、目的ではなく手段です。
あなたがミュージシャンとして売れ続けていく、その先にみたいのはどんな景色ですか?
ミュージシャンのための売れるメンタルとは
こんにちは。町子です。
「売れる」という言葉を聞いて、あなたはどのような状態を思い浮かべますか?
辞書ではこのように解説されています。
これをミュージシャンに当てはめると
- 関連商品が買われ収入を得る。
- 音楽で広く知られ世間から支持される。
といった感じでしょうか。
このブログでは、ミュージシャンが売れ続けるための思考や、こころの持ち方についてお伝えしていきます。
「メンタル」というと「鍛える」という表現をよく目にしますが、ミュージシャンのメンタルは体育会系的に「鍛える」というより、文化系的に繊細に「チューニングする」という感覚の方が合っているのではと思っています。
ミュージシャンを職業として生きていく推進力になれればうれしいです。