安室奈美恵さん引退にみる、音楽を職業にするということ
9月に歌手 安室奈美恵さんが引退しました。
その日が近づくにつれ、いろいろな特番がテレビ放送されたのを見ていて、音楽を職業にする、ということについて考えさせられました。
「お客さんを楽しませるには、まず自分が楽しまなくちゃ」
こんなフレーズをよく聞きます。確かに自分が楽しめることは継続できるし、技術の上達にも繋がります。けれど職業ミュージシャンの場合、それで良いのでしょうか?
音楽で生計を立てていくには、自分の音楽活動に価値を見出してもらい、その評価をお金というかたちで還元してもらわなくてはなりません。
そのためには、自分の音楽活動がどのように評価されているのかを知る必要があります。マーケティングです。
私が好きなバンドのライブを見に行っていた頃は、ライブハウスの入り口でフライヤーと一緒にライブの感想などを書くアンケート用紙が配られたりしましたが、最近はSNSがそんな役割を果たしているのでしょうね・・・。
いずれにしても「自分が楽しい」と「お客さんが楽しい」は必ずしもリンクしないという目線が大切です。
ただ、お客さん側に傾きすぎるのも良くありません。お客さんの趣味嗜好はさまざまに細分化しています。お客さんの数が多ければ多いほど、みんなが好きなことを見つけ出すのは難しくなるので、そこに意識をもっていかれるとお客さんに振り回されることになり、心が疲弊していきます。
「自分が楽しい」と「お客さんが楽しい」の最大公約数を見つけ、大きくしていくことが音楽はじめエンターテインメントを職業にするためのひとつのカギになるのではないでしょうか。
あなたとあなたのお客さんが楽しいと思えるのはどんなことですか?